遺言書は権利なのか、それとも義務なのか 2017/11/02

 

遺言書を遺すことや任意後見契約を結ぶことは、権利なのでしょうか?それとも義務なのでしょうか?

 

【国内人口の高齢化はどのように進む?】

次のグラフをご覧ください。1950年から2040年までの総人口と高齢者人口の推移をグラフ化したものです。国立社会保障・人口問題研究所の発表した「高齢者人口及び割合の推移(昭和25年~平成52年)」の推計値等を基に作成しました。

 

 

 

【グラフから読み取れることは?】

65歳以上の人口は全期間を通して継続的に増加しています。80歳以上の人口の増加も顕著になっています。これに対し、総人口は2010年頃を境に増加から減少に転じています。

 

 

【生活環境への影響は?】

高齢者が高齢者の介護を在宅で行う、いわゆる“老老介護”をする家庭の数が、さらに増えていくことが予想されます。

 

 

【老老介護に備えてできることは?】

いろいろあるかと思いますが、一つには、亡くなるまで介護をしてくれた人に報いる用意をしておくことだと思います。遺言書を作っておけば、介護をしてくれた人に相応の遺産を遺すことが可能になります。

 

 

【高齢者の認知症になる割合はどのように進む?】

次のグラフをご覧ください。2015年から2040年までの高齢者人口と認知症高齢者数の推移をグラフ化したものです。九州大学の二宮利治教授等の発表した研究報告書「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推定数等を基に作成しました。

■グラフ内の認知症患者数は、同報告書内の将来推計データの内、各年齢層の認知症有病率が2012年以降も上昇すると仮定した場合のものを使用しています。

 

 

 

【グラフから読み取れることは?】

高齢者人口の内に、認知症高齢者の占める割合が増加していきます。2015年は15%でしたが、2040年には24%になります。あくまで将来予測ですが、2040年には、高齢者の4人に1人が認知症になる可能性があることになります。

 

 

【認知症に備えてできることは?】

認知症になると、本人だけで日常生活を送ることがままならなくなります。そうなったときに、誰に保護をしてもらうのか考えておく必要があります。また、保護をする人が保護をしやすくする環境を整えておくことも大切です。

 

 

【具体的には?】

任意後見制度の活用をお勧めします。この制度は、本人が元気なうちに、公証役場で任意後見契約というものを結んでおき、認知症等になったときに備えておくものです。本人が信頼している人に、本人が認知症等になった後、本人に代わり、財産管理、介護、生活面の手配を引き受けてもらうことができます。

 

 

【最後に】

民法を読むと、遺言書を遺す行為は、義務ではなく、権利であることが分かります。任意後見制度も同様です。ただ、高齢化社会の進展や認知症問題を鑑みると、老後や死後に向き合って予め備えておくことは大切なことではないでしょうか。「立つ鳥跡を濁さず」にしたいものです。

 

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