年金受給者の確定申告の要否 2017/11/06

 

年金を受給している人が所得税の確定申告をしなくてもいいケースをまとめました。

 

【収入が公的年金のみのケース】

年間の年金収入が400万円以下であれば、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■日本年金機構や企業年金基金等から「公的年金等の源泉徴収票」が毎年1月頃に郵送されます。この源泉徴収票の“支払金額”で判定してください。源泉徴収票が複数枚あるときは、“支払金額”の合計額で判定です。

■次の源泉徴収票をご覧ください。黄色枠の金額で判定します。

 

 

■外国の制度に基づき国外において支払われる公的年金を受け取っているケースについては、年間の年金収入が400万円以下であっても、確定申告をする必要があります。

 

 

【給料収入もあったケース】

年間の年金収入が400万円以下であり、さらに、年間の給料収入が85万円以下であれば、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■勤務先から渡される「給与所得の源泉徴収票」の“支払金額”で判定してください。複数枚あるときは、合計額で判定です。

■次の源泉徴収票をご覧ください。黄色枠の金額で判定します。

 

 

 

【年金は少なめだが、給料は多めのケース】

給料が年末調整済みであり、さらに、年間の年金収入が90万円以下(65歳以上の人は年金収入が140万円以下)であれば、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■給料が年収2千万円を超える人は対象外になり、確定申告をする必要があります。

■次の図をご覧ください。給料が年末調整済みであるかどうかは、黄色枠に金額が記載されているかで判定します。年末調整がされていないときは空欄になっています。

 

 

■勤務先が2ヶ所以上あるケースや、同族会社の役員等でその同族会社から貸付金の利子等を受け取っていたケース等では、上記と異なる取り扱いになります。詳細については、弊所までお問合せください。

 

 

【上場株式の売却収入もあったケース】

年間の年金収入が400万円以下であり、さらに、特定口座で源泉徴収を選択している口座内で上場株式を売却したケースでは、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

 

 

【上場株式の配当収入もあったケース】

年間の年金収入が400万円以下であり、さらに、上場会社から配当として一定額以下を受け取ったケースでは、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■一定額とは、年1回配当する会社のときは10万円、年2回配当する会社のときは5万円です。年1回配当する会社から10万円以下の配当を受け取ったときや、年2回配当する会社から5万円以下の配当を2回受け取ったときは、確定申告をしなくてもOKになります。

■複数の会社から配当を受け取ったときは、それぞれの会社で一定額以下かを判定します。一定額が少なくなることはありません。

■所有している各銘柄の株数がそれぞれの会社の発行している総株数の3%以上であるときは、対象外になり、確定申告をする必要があります。

 

 

【退職金収入もあったケース】

年間の年金収入が400万円以下であり、さらに、退職金について「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していたケースでは、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■退職することが決まったとき、勤務先から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を求められます。また、退職の際、勤務先から「退職所得の源泉徴収票」が渡されます。

■次の源泉徴収票をご覧ください。「退職所得の受給に関する申告書」を提出していなかったときは、青色枠の金額に20.42%を掛けた金額が緑色枠に記載されます。緑色枠の金額がそれ以外の金額であるときは、「退職所得の受給に関する申告書」が提出済みであると判断できます。

 

 

 

【不動産賃貸収入、不動産売却収入等もあったケース】

年間の年金収入が400万円以下であり、さらに、不動産所得や譲渡所得等の合計が20万円以下であったケースでは、その年分の確定申告はしなくてもOKです。

■上記の条件を満たせば、所得税の確定申告はしなくてもよくなります。ただし、不動産所得や譲渡所得等の金額があるときは、20万円以下であっても住民税の申告は必要になります。

■自宅を売却して3千万円の特別控除を受けるときは、確定申告をする必要があります。

■詳細については、弊所までお問合せください。

 

 

【所得税の還付】

確定申告をしなくてもいいケースでも、確定申告をすることはできます。還付を受けることができるときは、確定申告をした方が有利になる可能性が高いです。

 

 

【間違えて提出したとき】

確定申告をしなくてもよかったのに、間違えて確定申告書を提出し、所得税を納付してしまったときは、税務署に書面による申し出をして確定申告書を撤回し、納付額の還付を受けることができます。

■書面による申し出をしないと、還付を受けることはできません。

 

 

以上です。

 

Office

〒460-0003
名古屋市中区錦2-2-24
フージャース名古屋錦ビル8F

052-218-2022
月~金曜 9時~17時