相続対策をするときに最初に確認しておきたいこと 2016/09/24

 

 

相続税の申告は必要だけど、納付の必要のない事例がよくあることは知ってました?

 

【最初に確認しておきたいこと】

相続対策を始める際に最初に確認しておきたいことは、身内が将来亡くなったときに、次の3グループのいずれに当てはまりそうなのかです。相続税の申告をする義務と相続税の納付をする義務の有無の組み合わせで決まります。両方の義務がない場合は Aグループ 、申告義務のみある場合は Bグループ 、両方の義務がある場合は Cグループ に該当します。各グループごとに、相続対策の中身は異なってきます。

 

 

 

【Aグループに当てはまるとき】

相続税についての対策をしておく必要はなく、遺産相続を円満に行うための対策だけ必要になります。

■具体的には、公証役場で適切な内容の遺言書を作ることがあげられます。

 

 

【Bグループに当てはまるとき】

相続税申告書を納税額0円にして提出します。納税の必要はありませんので、 Aグループ と同様、遺産相続を円満に行うための対策に重点を置くことになります。

 

 

【Cグループに当てはまるとき】

遺産相続を円満に行うための対策だけでなく、相続税の節税や納税資金の準備もしておく必要があり、最も大変です。

 

 

【相続税の申告義務の調べ方】

亡くなった人が所有していた全遺産の評価額の合計が基礎控除の金額を上回る場合、遺産を相続した人に相続税の申告をする義務が課せられます。反対に、下回る場合では申告義務は課せられません。

 

 

【相続税の納付義務の調べ方】

相続税申告書に記入した全遺産の評価額の合計が基礎控除の金額を下回る場合では、納付額は0円になり、納付する義務はないことになります。

 

 

【調べ方の異なる点】

申告義務の判定で使う遺産総額と納付義務の判定で使う遺産総額が異なります。理由は、自宅の敷地の評価を下げる特例と配偶者の相続税を下げる特例が申告義務の判定では考慮されず、納付義務の判定では考慮されるからです。これらの特例が使える事例では、納付義務の判定で使う遺産総額は、申告義務の判定で使う遺産総額より少額になります。

 

 

【自宅敷地の特例】

残された家族の生活基盤となる自宅敷地の評価額を抑え、重い相続税がかからないよう国が配慮した制度です。自宅敷地の評価額を最大で8割下げることができます。一般のサラリーマン家庭では、遺産総額のうちに占める自宅敷地の割合は高く、この特例の効果は大きくなります。

税法用語では「小規模宅地等(特定居住用宅地等)についての相続税の課税価格の計算の特例」と言います。

 

 

【配偶者の特例】

残された配偶者がお金に困ることなく、残りの人生を安心して暮らせるよう国が配慮した制度です。遺産総額が1億6千万円以下の場合、配偶者はどれだけ相続しても相続税はかかりません。

■税法用語では「配偶者の相続税額の軽減」と言います。

 

 

【事例説明】

«事例»

遺族:子3人

遺産:自宅敷地3千万(100坪以下) + その他3千万 = 6千万

 

«基礎控除»

3千万 +(法定相続人3人× 6百万) = 4800万

 

«自宅敷地の特例効果»

自宅敷地3千万 × 80% = 2400万

 

«申告書上の遺産総額»

遺産総額6千万 - 特例効果2400万 = 3600万

 

«申告義務の判定»

遺産総額6千万 > 基礎控除4800万

∴ 申告義務あり

 

«納付義務の判定»

申告書上の遺産総額3600万 ≦ 基礎控除4800万

∴ 納付義務なし

 

«結論»

納付額0円で申告だけしなければならない

(Bグループに当てはまる)

 

 

【最後に】

相続税0円の内容で申告をするケースは実務上多いのですが、あまり知られていません。相続対策は、実際に必要なことだけ行ってください。

 

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